通常、探偵に不倫調査を依頼した場合、不倫の証拠を押さえて、その証拠となる写真や映像と共に不倫調査報告書を依頼人に渡すのですが中にはどうしても不倫現場に来たいという我が侭な依頼人もいるのです。
通常、探偵は不倫現場に依頼人が来ることは拒否しており、その分、写真や動画などで撮影して不倫調査報告書と一緒に渡しています。
ところがどうしても不倫現場に来たいと希望され、「それが依頼の条件」と言われると要求を飲むしかないのです。
ある男性から妻の不倫調査を依頼された時のことです。
同じように不倫現場に来たいとの一点張りで渋々承知、依頼を受けました。
すると調査初日早々に男性と会い、2人で簡単に昼食を済ませた後にラブホテルに行ったのです。
絶対条件でしたので依頼人に連絡すると会社を早退して30分位で現場に来るとのこと。
本当に30分程で依頼人である夫が現場に来ました。
探偵としてはラブホテルに入ったまでの経緯を簡単に説明し、今後の事も打ち合わせしました。
不倫相手男性がどこの誰だかも分かっていないからラブホテルを出た後も調査を継続し奥様と別れた後に調査対象を男性に切り替え、身元を特定すると納得させ、絶対に
ご主人がいるとは気付かれないように隠れて確認するだけにして欲しいと説得、ご主人もその場では納得され、少し離れた位置で隠れていました。
約2時間15分後、奥様と不倫相手男性がラブホテルより出てきました。
仲睦まじく奥様が男性の腕を組んで出てきました。
探偵は当然、写真や動画の撮影に集中しています。
するとファイダー越しに2人に駆け寄っていく男性。
ご主人です。
ご主人は奥様を突き飛ばし、相手男性に殴りかかり、顔面にヒット。
突然の事で不倫男性は倒れるとすぐさま、蹴りを一発、更にご主人は馬乗りになり、再び殴り始める。
奥様は叫び声を上げて、大声で制止するも止まりません。
昼間の出来事で他の通行人も見ているし目の前のラブホテルの関係者も何事かと出てきている。
探偵も通行人の振りをして依頼人であるご主人を制止する。
興奮しまくっているご主人を不倫相手から引き離し落ち尽かせようとするも興奮が収まらない。
探偵にも喰ってくる始末である。
すると通行人かラブホテルの関係者が通報したのであろう。
自転車に乗った警察官が来た。
こうなるともう最悪である。
更にパトカーから救急車まで来て、野次馬も多くなっている。
顔から血を流している不倫相手男性が救急車で運ばれる。
妻と夫は別々のパトカーで事情聴取。
多分、警察官に話をしたのであろう。
警察官が誰かを捜している。
もちろん依頼人に連絡した探偵だろう。
案の定、事務所から連絡で来て、警察に来て欲しいと。
依頼人は暴行傷害罪で逮捕。
民事でも賠償しなくてはならないだろう。
不倫の慰謝料どころではなくなってしまったのだがこれも依頼人が自ら招いた結果である。
ただ探偵も事情聴取やらまったくもって迷惑な話であった。