先日、妻が外出した後、尾行して女友達と会うのでその時に妻と女友だちの会話を聞いて欲しい、可能であれば録音をして欲しいという無茶振りな調査相談がありました。
多分、テレビドラマかスパイ映画でも見たのかもしれませんが現実的にはかなり厳しい依頼です。
尾行して女友だちと実際に会うのか、そして女友達とどういった行動をしているかは探偵にとって尾行調査すれば明確に掴める調査ですが本件は女友達も知っているしどこへ行くかも判っているというのです。
では何も知りたくて調査を依頼したいかというと、女友達と歩いている時の会話、電車移動の際の会話、どこかのお店に入った時こそ重要で飲食している時の会話を聞き、録音して欲しいというのです。
まず妻と女友だちが歩いている時の会話をを聞くなんて事はまず不可能です。
尾行というのは相手の後ろについて少し離れてついていくことです。
後ろにいるのですからまず会話なんて聞こえてきません。
もし聞き耳を立てるしても真横か真後ろにいるしかありません。
尾行している最中にそんなことは現実的に無理な話です。
電車移動の際でも真横に座るか真ん前に建っていなければなかなか会話を聞き取ることは出来ません。
もし仮に会話を聞けたり、録音が出来たとしてもその後に尾行していくことはかなり厳しくなってきます。
可能性があるとすれば飲食店の中でしょうが入店した店舗で妻と女友達が座った席の隣が必ず空いているとは保証は全くありません。
離れた席に座られた場合、盗聴器を設置する事も出来ませんし指向性のマイクを向けるにしても限度があります。
たまたま隣の席が空いていたら可能となるというロケーションで無ければならないという現実離れ的な要求となってきます。
また隣に座った探偵が店舗を出ても尾行しなければなりません。
探偵もののドラマかスパイものの映画でも見たのかも知れませんが限られた探偵の数でこれらを遂行する事はかなり不可能なのです。
しかも依頼人は探偵2人という最低限の人数も指定してきています。
これでは到底、この相談を依頼を請けられる訳もありません。
この相談は結果的に依頼に結びつきませんでしたがたまにいるのです。
テレビドラマやスパイ映画のように探偵なら簡単に何でも出来てしまうと思われている方が。
正直、困ってしまいます。