さまざまな調査が可能
 

元警察官の探偵についてご説明いたします

元警察官(警察OB)の探偵とは

探偵に転職した元警察官

警察官から探偵への転身を考える際、元警察官(警察OB)であることを活かして探偵業界に進むという選択はしばしば目にします。しかし、警察官としての経験と探偵としての実務には異なる側面や課題が存在し、安易にステップアップできるものではありません。警察官の経歴があることで得られるスキルや洞察力は確かに役立ちますが、探偵としての成功にはそれだけでなく、全く新しいスキルや知識が不可欠です。

警察から探偵へ転職する際に求められる新たなスキルや知識

警察官から探偵へ転職するには、まず探偵業のライセンスを取得する必要があります。探偵業は厳密な法的制約のもとで行われるものであり、ライセンスを取得することはこの業界で活動するうえで欠かせません。また、ライセンス取得後も、個々の調査案件に適切に対処するためには、特別なスキルや最新の調査技術、法的知識の習得が求められます。

例えば、探偵としての具体的な調査活動では、証拠の収集や情報の取得に関して、プライバシー保護の観点から厳格なルールが存在します。どのような情報が収集可能であり、またその情報をどのように取得することが合法であるのかを熟知しておくことが不可欠です。証拠収集に際しては、違法な手段を用いることが禁じられており、適切かつ合法的な方法での情報収集が求められます。たとえば、尾行や張り込みといった探偵業務の基本的な手法であっても、法律を遵守したうえで行わなければなりません。

警察官時代に学んだスキルや経験が活かせる場面も確かにありますが、探偵業ではさらに洗練された隠密行動が必要とされます。これは、警察官であることを公にして活動していた時代とは大きく異なるポイントであり、警察権がない立場で活動する探偵にとっては極めて重要な要素となります。実際、探偵業務を行う際には自らの身分を隠し、一般人としての振る舞いを徹底しなければなりません。この秘匿性は、調査対象者に探偵の存在が知られないようにするための工夫であり、調査を成功に導くためには欠かせない要素です。

探偵としての隠密技術とその重要性

探偵が使用する手法には、尾行、張り込み、聞き込みなどがあります。これらの方法は情報収集の基本となるものですが、実行にあたっては徹底した法の尊重とプライバシーの保護が求められます。もし探偵の存在が対象者に知られてしまうと、その調査自体が無効化されてしまい、依頼人に求められた成果を上げることが難しくなります。したがって、探偵が活動する際にはその隠密性が非常に重要です。

警察官の役割としても尾行や張り込みは重要な捜査手段であるため、警察官からの転身者がこのスキルを持っていることは事実です。しかし、警察と探偵の間には大きな違いが存在します。たとえば、警察官は警察権のもとで活動するため、尾行や張り込みに際しては公的なバックアップを受けることが可能です。また、警察には専用の捜査車両や無線機、カメラなど、最新の捜査ツールが揃っており、こうした設備を駆使してチームでの尾行や張り込みを行います。さらに、警察官は法的な権限に基づき、場合によっては近隣住民や施設管理者などに協力を要請することも可能です。このため、マンションの管理人や近隣住民に協力を求め、捜査車両の停車場所や張り込みの拠点を確保することができ、長期間にわたる監視が容易に行えます。

これに対し、探偵にはこうした公的なサポートは一切ありません。探偵は完全に個人の技術と隠密行動に依存しなければならないため、無用な注目を避けるための工夫が求められます。加えて、探偵業には特別な法的な権限は与えられておらず、一般人としての範囲内でしか活動ができません。したがって、例えば一般住宅の管理人や近隣住民から協力を得ることも難しく、車両の駐車場所も慎重に選ばなければなりません。もしも不審に思われたり、怪しまれたりした場合、調査が途中で頓挫するリスクが高まります。このように、探偵業務では警察のようなバックアップ体制がないため、非常に繊細で独自の技術が必要とされるのです。

探偵業務の多様性とクライアントとの信頼構築

探偵の仕事において、重要なのは単に調査を成功させるだけでなく、クライアントの期待に応えることです。これは、経験や知識に加え、優れたコミュニケーション能力や、依頼者の信頼を損なわない倫理的な対応が不可欠です。依頼人とのコミュニケーションにおいては、状況報告の方法や説明能力も問われ、情報収集における倫理観も重視されます。

特に、探偵がクライアントからの信頼を獲得するためには、法を順守しつつもクライアントのニーズに応える柔軟性が求められます。例えば、浮気調査や企業の内部調査、行方不明者の捜索など、依頼内容は非常に多岐にわたるため、それぞれの案件に応じて最適な方法を選び出し、適切に対応する能力が求められます。このような対応力は、警察官としての経験だけでは補えない部分であり、探偵としての成功を左右する大きな要素となります。

また、探偵業務の特質として、クライアントから調査費用をいただいて調査を遂行するため、結果を求められることが特徴的です。探偵はクライアントが望む結果を出すために、計画的に行動するだけでなく、迅速な対応が必要とされます。警察の捜査は重大事件であれば長期にわたることが許されますが、探偵業務ではクライアントが設定した調査日程や予算内で成果を上げる必要があるため、効率的かつ的確なリサーチ手法が求められます。

探偵業務における法律遵守と調査の遂行

探偵としての活動においては、法を順守した行動が不可欠です。探偵は警察官のような法的な権限を持たず、すべての行動が一般市民としての枠を超えないようにしなければなりません。特に、違法な手段で情報を収集した場合、調査が無効となるだけでなく、探偵事務所全体の信頼性も損なわれてしまいます。クライアントに対して誠実なサービスを提供するためにも、探偵業務では法に則った調査を徹底することが重要です。

また、探偵業務では法的な知識だけでなく、倫理観や依頼者との信頼構築が求められます。依頼者は自らの事情や困りごとを探偵に相談するため、探偵はそれに応じた対応が求められます。このため、探偵業においては、調査に必要な法的知識だけでなく、調査対象に対する対応力や、人間関係の管理能力も欠かせない要素です。

このように、警察官から探偵に転身する際には、新たな専門知識と法的リテラシーが必要であり、さらにクライアントとの信頼関係を築くための柔軟な対応力も求められるのです。

民間の探偵業が行う尾行や張り込み

探偵業における張り込みと尾行の実情について、探偵が警察のような組織的なバックアップや法的権限を持たないため、その調査活動は非常に制約が多く、過酷であるという現実があります。警察官と異なり、探偵は多くの場合、個人または少人数のチームで動くことが一般的であり、さらには調査にかかる人員や資金も限られていることから、調査期間に関する制約も多く、必然的に短期間での情報収集を求められます。このような状況のもとで、探偵は依頼人からの依頼に応えるため、あらゆる工夫と慎重な戦略を駆使し、短期間で成果を上げるために日々奮闘しています。

たとえば、警察の捜査であれば、重要な事件に対しては数日間から数週間、さらには数ヶ月以上にもわたる張り込みを行うことが可能であり、その間、警察組織としての強力なバックアップがあるため、安心して調査を進めることができます。また、警察には豊富な人員と充実した設備が備わっているため、例えば尾行や張り込みに際しても交代要員が用意されていることが一般的であり、監視が長期化する場合にはシフト制で人員を入れ替えることもできます。さらに、警察は法的な権限に基づいて行動するため、場合によっては地域住民や施設の管理者などからも協力を得ることが可能です。このように、警察は調査のために用意された特別な捜査車両や無線機、カメラなどの最新設備を使用することができ、かつ、場合によっては民間人からの協力も得て、安心して長期にわたる張り込みや尾行を行うことができるのです。

一方、探偵はそのようなバックアップや設備、権限が一切ない状態で調査を遂行しなければなりません。探偵は個人もしくは少人数のチームで動くため、交代制での張り込みが難しく、長時間にわたって単独での張り込みを余儀なくされることが多々あります。また、探偵はあくまで一般市民の立場で調査を行うため、法的な権限は一切なく、違法な手段での情報収集は禁じられています。張り込みや尾行に際しても、プライバシーの侵害にならないように常に気を配らなければならず、監視対象者に気づかれないように、また周囲の住民や通行人に怪しまれないように、慎重かつ冷静に行動することが求められます。

また、探偵は張り込みや尾行の際に限られた資金と機材で活動することが多く、たとえば、車両を使用する場合も、調査車両専用の設備が整っていないため、一般車両を使って行動せざるを得ないことが多いです。監視の際には、車両の駐車位置や見通しのよい地点を選ぶ必要があり、周囲に不審に思われないような工夫が求められます。探偵が長時間同じ場所で張り込みを行っていると、周囲の住民や通行人から「何か怪しい」と感じられることがあり、その結果、警察に通報されるリスクが高まります。警察が現場に到着し、探偵が事情を確認されると、探偵活動に支障をきたし、最悪の場合、張り込みが強制的に中断されてしまうことも少なくありません。特に、住宅街や人通りの多い場所での張り込みでは、このようなリスクが非常に高く、探偵が周囲に溶け込み、うまくカモフラージュしなければならない状況が多く発生します。

探偵は合法的な手段でのみ調査活動を行わなければならず、対象者のプライバシーを侵害するような手法は法的に禁じられています。そのため、例えば、対象者の自宅に無断で侵入したり、盗撮や盗聴を行ったりすることは法律違反となり、このような行為が発覚した場合には調査が無効となるだけでなく、探偵としての信用を失う結果にもつながりかねません。このような法的な制約の中で、探偵は合法的かつ倫理的な方法で情報を収集することが求められ、このことが調査の難易度を一層高めています。探偵業務においては、こうした様々な制約がある中で、いかにして効率的に情報を収集し、依頼者に有益な結果を提供するかが求められています。

特に浮気調査などのケースでは、対象者が限られた時間内にラブホテルを利用する場合が多く、この短時間での情報収集は、探偵にとって非常に難易度の高い任務です。対象者がラブホテルの出入口を利用する一瞬を逃さずに証拠を収集するためには、探偵は長時間にわたり待機し、対象者の動向を見逃さないようにしなければなりません。しかしながら、こうしたラブホテルの監視は、探偵にとって非常に過酷で、特に交代要員のいない状況では、12時間以上にわたって同じ場所で張り込みを続けることが求められる場合もあります。これは、通常の警察官であれば交代制で監視を続けるところを、探偵は限られた人員で単独で対応しなければならないため、体力的にも精神的にも非常に消耗します。また、周囲に怪しまれないように常にカモフラージュしながら監視を行わなければならず、結果的に高い集中力と忍耐力が求められます。

さらに、ラブホテルでの張り込みの場合、周囲の住民やホテルの利用者から怪しまれないように、慎重な立ち回りが求められます。探偵は周囲の状況を見ながら、監視地点を変更したり、車両を一時的に移動させたりして、周囲に不自然な印象を与えないように工夫することが必要です。もしも探偵が不審な行動を取っていると感じられた場合、通報されるリスクがあるため、このようなリスクを最小限に抑えるために、探偵は常に臨機応変な対応が求められるのです。このように、探偵業における張り込みや尾行は、警察の捜査とは異なり、常に様々な制約とリスクがつきまとっており、探偵があらゆる知識と経験を駆使してこれに対処する必要があります。

探偵は限られたリソースと短い時間の中で、依頼人が求める結果を出すために常に試行錯誤を重ねています。探偵業は孤独で厳しい戦いであり、調査の現場ではしばしば予期せぬトラブルや困難が発生しますが、それでも探偵は依頼者の問題を解決するために、自らのスキルと経験を最大限に活かし、常に努力を続けているのです。

このように、探偵の張り込みや尾行は警察の捜査とは異なり、膨大な制約と困難の中で進められており、少ない人数と限られた資金の中で、いかにして依頼者にとって有益な結果を提供するかが大きな課題です。

探偵の調査活動においては、聞き込みも重要な情報収集手段の一つです

警察と探偵の調査活動には、法的権限の有無や組織体制、住民との信頼関係など、多くの点で大きな違いがあります。特に、警察官が行う「聞き込み」という捜査手法と、探偵が行う「聞き込み」の手法には顕著な違いがあり、この差は調査結果や情報収集の効率にも大きく影響を与えることとなります。警察官が一般市民から情報を得る際には、バッジや身分証明書を提示し、国家の法執行機関としての権威を示すことができるため、多くの市民が安心して協力をしてくれます。人々は警察官の存在に信頼を寄せ、警察の職務が地域社会の安全や自分たちの日常生活の安心に直接関わるものであると認識しているため、警察官が訪れた際にはその捜査に積極的に協力し、可能な限りの情報提供を行います。警察への協力は、自分たちの生活の安全を守ることにもつながるという意識が市民に働きかけ、彼らは警察官に対して前向きに協力するのが一般的です。

実際に、警察官が聞き込みを行う場面では、一般的な住民にとっては「警察が訪問してきた」というだけで特別な意識が働くことが少なくありません。警察官が公式の法的機関として訪ねてきて、事件や問題の解決に関する情報を求めているという事実は、住民にとって「正当な理由のある活動」として受け入れられやすく、結果として安心感を持って協力してくれる要因となります。さらに、警察官が捜査に協力することは、住民が地域社会の安全に貢献する手段の一つとも考えられています。そのため、住民の多くは警察官の聞き込みに対して、積極的に協力し、時には自分が知っている限りの情報を提供しようとします。情報提供をすることで、自分や周囲の人々が安全に暮らせる環境を維持する一助となるとの考えから、警察の活動に対して協力的な態度を示すのです。

これに対して、探偵が行う聞き込みは、まったく異なる状況で行われるものであり、そこには多くの課題と制約が存在します。探偵は警察のような公的な法的権威を持たないため、住民や一般市民に対して捜査への協力を強制することができません。探偵はあくまで民間人として、一般の人々と同じ立場から情報を集めなければならず、そのために慎重かつ巧妙なアプローチが求められます。例えば、探偵が聞き込みを行う際には、まず自分の身元を慎重に明かし、話を聞く相手に安心感を与えつつ、自然な形で協力を依頼する必要があります。このようなアプローチは、一見簡単そうに思われるかもしれませんが、実際には非常に繊細で難易度の高い作業です。特に現代社会においては、個人情報の保護に対する意識が以前にも増して高まっているため、住民や一般市民の多くが見知らぬ人に対して警戒心を抱く傾向にあります。そのため、探偵はまず初対面の相手に対する警戒心を取り除き、信頼を得た上で聞き込みを進める必要があり、これは警察のように法的権威を背景に持たない探偵にとっては非常に難しい課題です。

さらに、多くの市民は、見知らぬ人物が突然訪問してきて情報を求められると、反射的に警戒心を抱くことが一般的です。最近の社会情勢では、詐欺や個人情報の不正利用が頻発していることもあり、市民は自分の個人情報や知っている情報を他人に提供することに対して、慎重かつ神経質になる傾向が強まっています。このような状況の中で、探偵が住民から情報を得るためには、まずはその場で相手の不安感や警戒心を和らげ、安心感を与える必要があります。具体的には、探偵は相手に対して親しみやすい態度を示したり、自然な流れで話しかける工夫をしたり、相手の興味を引きながら徐々に情報提供に応じてもらうようなテクニックが求められます。このような高度なコミュニケーションスキルがなければ、住民からの協力を得ることは難しく、結果として聞き込みが失敗に終わる可能性も高まるのです。

また、探偵が聞き込みを行う際には、必ずしも住民から協力を得られるとは限りません。もしも協力が得られなかったり、相手が情報提供を拒否したりした場合には、聞き込み以外の手段で情報を得るための代替策を考える必要があります。たとえば、対象者の行動パターンを独自に調査し、別の手段から情報を収集したり、他の関係者に聞き込みを試みるなど、柔軟な対応が求められることが少なくありません。このような複雑かつ繊細な対応が求められることも、探偵の仕事が非常に多岐にわたり、かつ困難であることを物語っています。

警察と探偵の調査手法にはこのように明確な違いがあり、各々が持つ強みと制約は異なります。警察は、法的権限や組織的な支援を背景に、長期にわたる捜査活動が可能です。彼らには捜査における法的な権限が与えられており、また膨大な人員や高度な設備を使用することで、精密かつ徹底的な捜査が行える環境が整っています。そのため、地域住民も警察に対して協力的な姿勢を取りやすく、事件の解決に向けて住民から積極的に情報提供を受けることができます。一方で、探偵は民間の立場で活動しており、法的権限や大規模な組織的サポートがないため、短期間での結果が求められる中、限られたリソースを最大限に活用していかに効率的に情報を収集するかが鍵となります。また、探偵は法的な制約の中で、違法行為に及ばず合法的な手段のみを使って調査を進める必要があり、その点も調査活動の範囲や方法に影響を与えています。

このように、警察の捜査と探偵の調査には根本的な違いがあり、依頼者はそれぞれの性質を理解した上で、どのような調査が必要であるかを見極めることが重要です。警察が行う捜査には法的な強制力と豊富な人員、長期間にわたる捜査能力が備わっていますが、一方で探偵には民間としての柔軟性があるため、迅速かつ対象者に気づかれることなく調査を進めることが可能です。探偵業の現場がいかに複雑で挑戦的であるかを理解することで、探偵が日々依頼者のために多大な努力と工夫を重ねている姿が浮き彫りになります。

元警察官が探偵業界に足を踏み入れる際には、さまざまな壁や制約に直面することになります。その最大の要因は、警察官としてのキャリアにおいて当然のごとく享受していた「警察権力」という背景が、探偵業界においては一切存在しないという現実です。警察官時代には、捜査の過程で行う尾行や張り込み、聞き込みが、警察官という国家機関の一員としての立場によって守られ、法的な後ろ盾や権威があったために一般市民からも協力を得やすかったのですが、探偵に転職した途端、それがいかに強力な支えであったかを思い知らされるのです。

元警察官にとって、退職して一般人に戻った瞬間から、警察官時代のように堂々と聞き込みを行い、住民に協力を求めることはできなくなります。また、尾行や張り込みをする際にも、かつてのように法的な権威を背景にしての行動ではなくなり、自らの身元や調査の意図を慎重に明かしながら、合法的な範囲内で活動しなければならないという制約が伴います。そのため、警察時代のように、誰もが法に基づく活動として信頼を寄せてくれる環境とは異なり、探偵として情報を得るには住民の信頼を地道に築く必要があります。このようにして探偵としての現実に適応し、新たな環境において努力を続ける元警察官も少数ながら存在しています。しかし、実際には、多くの元警察官が、警察で培った経験がそのまま民間の調査業務に応用できると考え、探偵業を安易に甘く見てしまう傾向があります。その結果、思い描いていた理想とは異なる厳しい現実に直面し、挫折して辞めてしまうケースも多いのが現状です。

このような元警察官の現状については、知り合いの同業他社からもいくつか類似の事例が聞かれます。元警察官が探偵業に転職しても、長続きせずに辞めてしまうことが多いのです。警察官としてのキャリアにおける尾行や張り込み、聞き込みと、探偵業界におけるそれらの活動には大きな違いがあります。これには、根本的に「捜査」と「調査」という性質の異なる行動であるという理解が不足していることが原因かもしれません。警察の捜査は法的権限を背景にしており、警察官はその権限のもとで捜査対象者に対して公然と調査活動を行うことが許されています。一方、探偵の調査はあくまで民間の範囲で行われ、法的な強制力が一切ないため、相手に不信感を抱かれれば即座に協力を得ることが難しくなります。この差が、探偵業の特異性と難易度を一層際立たせているのです。

さて、少し余談になりますが、そもそも定年退職を待たずに警察官を辞めてしまう元警察官には、一体どのような事情があるのでしょうか。警察官という職業は地方公務員として将来の安定が保証されており、また、福利厚生も充実しています。そのため、基本的には定年まで勤め上げることで、その後の年金生活も保障されることが多く、わざわざ途中で退職して探偵に転職するという選択を取ることは稀です。実際に、探偵業界に転職してきた元警察官の中で、探偵業に憧れを抱いて転職したという話はほとんど聞かれません。むしろ、何かしらの問題を抱えた末に警察を辞めざるを得なかった、というのが一般的な印象です。

考えられる理由としては、例えば職場での問題行動やトラブルが発端となったケースが挙げられます。警察官としての職務において問題を起こし、組織内での居場所を失ったり、内部的な懲戒処分を避けるために自主退職を選ばざるを得なかった可能性もあります。また、警察組織という特殊な環境に適応できず、人間関係の軋轢や上司との確執が原因で辞職したケースも少なくありません。あるいは、勤務中のストレスや過酷な業務によって健康を損なってしまい、やむを得ず退職に至ったという事例も考えられます。こうした背景から、元警察官が探偵という職業に転職するケースがあるのです。

実際、過去に赤坂アーガスに転職してきた元警察官たちも、表向きは「一身上の都合による退職」と説明していましたが、実際には異なる事情が背景にあったようです。たとえば、ある元警察官は女性問題が原因で退職に追い込まれたと噂されています。警察官としての立場を利用して異性とのトラブルを引き起こし、その結果として警察内部での立場が悪くなり、自主的に辞職する道を選んだとされています。また、別の元警察官については、上司との関係が悪化し、日々の業務に支障をきたすほどの確執が生じたため、最終的に退職せざるを得なかったという経緯があるとされています。これらの情報については、本人から直接聞いたわけではなく、他の関係者からの聞き取りや状況証拠を基にしたものに過ぎないため、真偽の程は明確ではありませんが、警察組織内での問題が退職理由として背後に存在していたことは否定できません。

探偵事務所での業務は、他の職種に比べて機密性が高く、従事者の過去の経歴や退職理由について明示されることが少ないのが実情です。探偵業務においては、依頼者のプライバシーを守ることが最優先事項であるため、従業員に対しても同様の配慮がなされる傾向が強いのです。そのため、元警察官が探偵に転職する際も、詳細な経歴や退職理由が公開されることはほとんどありません。これには、個人のプライバシーの観点も関係しており、民間企業としての探偵事務所は、過去の職務経歴に関する詳細な情報を無理に掘り下げたり、前職の退職理由を問うことは少ないのです。

また、警察の人事部に問い合わせたところで、個人情報を外部の民間組織に提供してくれるわけもなく、たとえ元警察官であっても、退職の理由や詳細な経歴については民間側では知り得ないことがほとんどです。したがって、元警察官として探偵業界に転職してきた人物が過去にどのような経緯で退職したのか、その理由については、本人が自ら語らない限り、探偵事務所側では把握することが難しいのが現状です。

このようにして赤坂アーガスにやってきた元警察官たちも、結局は探偵業の厳しい現実に適応しきれず、約1年足らずで退職してしまいました。警察官としてのキャリアがそのまま探偵業に活かせると安易に考えていたのか、それとも探偵業が思いのほか過酷だったのかは分かりませんが、いずれにせよ長続きせずに辞めてしまった彼らの現在の状況については不明です。彼らがその後、どのような職業に就き、どのような生活を送っているのかは定かではありませんが、探偵業が彼らにとって合わなかったことは間違いありません。

探偵業界における元警察官の活躍には期待される部分もありますが、現実にはそのハードルが非常に高いのが実情です。

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